・三点透視図法のビルの描き方が知りたいな。できればフカンとアオリ両方の描き方が知りたい
・ついでに、二点透視図法のビルの描き方も知りたいな
こういった疑問に答えます。
✔︎ 本記事の内容
1.簡単! 三点透視図法 フカンとアオリのビルの描き方をわかりやすく解説
2.二点透視図法 ビルの描き方
この記事を書いている僕は、透視図法(パース)の勉強は、3年ほどです。
普段、透視図法を使って絵を描いています。
こういった僕がわかりやすく解説していきます。
目次
簡単! 三点透視図法 フカンとアオリのビルの描き方をわかりやすく解説
今回は、以下のようなフカン(見下ろす構図)とアオリ(見上げる構図)のビルを描いていきます。


描き方の工程としては、以下のとおりです。
工程① : 三点透視の箱を描く
工程② : 階数に分割する
工程③ : 窓などを描いて完成
では、まずはわかりやすいように、フカン(見下ろす構図)のビルの描き方から紹介します。
三点透視図法 フカン(見下ろす構図)のビルの描き方
今回は、以下のようなビルを描いていきます。

工程① : 三点透視の箱を描く
まず、三点透視の箱を描きます。
今回は、見下ろしたフカンの構図なので、アイレベルは、紙の上付近に設定します。
以下のような感じですね。


見下ろす構図なので、3つ目の縦方向の消失点は、アイレベルより下に設置するよ
三点透視図法の描き方がよくわからないという方は、
【簡単】三点透視図法の描き方 手順をわかりやすく解説【中学生OK】
にてわかりやすく解説しているので参考にしてください。
もし消失点まで定規が届かないという方は、消失点からパースラインを引っ張って描く方法があります。
具体的なやり方は、
パース 透視図法 消失点が紙や画面の外など遠いときの対処法を2つ紹介
にてわかりやすく紹介しているので参考にしてください。
また、透視図法を使ってこれから絵やイラストを描いていきたい方は、
以下のような少し長めの定規を使うことをオススメします。
この定規は実際に僕が使っている定規です。
15センチや30センチの定規だと消失点まで届かないことが多いですが、
長めの定規なら消失点までダイレクトに届いて快適です。
以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
工程② : 階数に分割する
次に、ビルを階数分に分割していきます。
今回は、初心者の方にも描きやすいように、4階建のビルにします。
ただ、三点透視図法の場合、縦方向(上下方向)にもパースがついてしまう(遠近感がついてしまう)ため、
一点透視図法や二点透視図法と違って定規で測って分割することはできません。
そのため、対角線を使う「分割」という方法で分割する必要があります。
今回は、4階建なので、4分割をやります。
他の階数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
では4分割していきます。
① 左右どちらかの面に対角線を2本引く
まず、左右どちらかの面に対角線を2本引きます。
以下のような感じですね。


今回は、左側の面に引いているけど、右側の面でもOK!

今はわかりやすいように濃く引いているけど、対角線は絵の一部ではないからなるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、対角線が交わるところに交点(赤の点)ができますよね。

② 対角線の交点を通る縦線と横線を引く
次に、先程引いた対角線の交点(赤の点)を通る縦線と横線を引きます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って、横線はアイレベル上の左側の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


縦線は左右の縦辺2本に平行だから、3つ目の縦方向の消失点へ。
横線は上下の2辺に平行だから、アイレベル上の左側の消失点へ向かうよ
これで、2分割ができたことになります。
③ 2分割してできた、それぞれの四角形に対角線を1本ずつ引く
では次に、2分割してできた、それぞれの四角形に対角線(緑の線)を1本ずつ引きます。
以下のような感じですね。


今回は右上から左下に引いているけど、左上から右下に引いてもOK!

対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、真ん中の縦線との交点(緑の点)が2つできますよね。

あとは、この交点(緑の点)を通る横線を引けば、4分割の完成です。
このとき、横線はアイレベル上の左側の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


他の横線と平行だから、アイレベル上の左側の消失点を使って線を引くよ
さらに、4分割する線と、箱の左側の面の右の縦辺との交点から、
アイレベル上の右側の消失点に向かって線を引くと、箱の右側の面も4分割することができます。
以下のような感じですね。

どうでしょうか?
三点透視の場合、縦方向(この場合は下向き)にパースがつく(遠近感がつく)ので、
上の階と下の階とではずいぶんと高さの幅が違って見えますね。

1階分の高さはどの階も同じだけど、下向きにパースがついているから、下に行くほど狭く見えるんだね!
工程③ : 窓などを描いて完成
では最後に、窓などを描いていきましょう。
下準備として、縦方向にも分割しておきます。
今回は、窓の形などを考慮して、4つに分割してみます。
他の数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
① 縦方向も4分割する
まず、以下のように、2分割してできた、縦の四角形2つに対角線(青の線)を1本ずつ引きます。


今回は右上から左下に引いているけど、左上から右下でもOK!

対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、一番大きい長方形を横に2分割する横線との交点(青の点)が2つできますよね。

あとは、この交点(青の点)を通る縦線を引けば、縦に4分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。

また、対角線を引かなくても縦に4分割することもできます。
以下のように、4分割する線と、一番大きい長方形に引いた対角線との交点(赤の点)が3つありますよね。


今回は、右上から左下に引いた対角線を使っているけど、左上から右下に引いた対角線でもOK!
この交点(赤の点)を通る縦線を引けば、縦方向に4分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


真ん中の2つ目の赤の点は、既に線が引いてあるね!
どちらの方法を使っても結果は同じになります。
慣れないうちは対角線を引いてやっても良いですが、
以上のように、既に引いてある線を利用することで、少ない線で効率よくかつ手早く分割することができます。
便利なので、ぜひ覚えておきましょう。
では、右側の面も分割してみましょう。
今回は、窓の形などを考慮して、4つに分割してみます。
他の数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
② 右側の面を縦方向に4分割する
まず、以下のように、対角線を1本引きます。


今回は左上から右下に引いているけど、右上から左下でもOK!
そうすると、以下のように、4分割する横線との交点(茶色の点)が3つできますよね。

あとは、この交点(茶色の点)を通る縦線を引けば、縦方向に4分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。

③ 窓などを描いて完成
あとは、窓などを描いて完成です。

窓などを描くときも、きちんと適切な消失点を使って描きましょう。
例えば、箱の左側の面であれば、縦線は3つ目の縦方向の消失点、
横の線はアイレベル上の左側の消失点を使って描きます。
一方、箱の右側の面であれば、縦線は同じく3つ目の縦方向の消失点ですが、
横の線はアイレベル上の右側の消失点を使って描きます。
では続いて、アオリ(見上げる構図)のビルの描き方です。
といっても、これまで描いてきたフカンのビルの描き方と基本的には同じです。
三点透視図法 アオリ(見上げる構図)のビルの描き方
今回は、以下のようなビルを描いていきます。

工程① : 三点透視の箱を描く
まず、三点透視の箱を描きます。
今回は、見上げたアオリの構図なので、アイレベルは紙の下付近に設定します。
以下のような感じですね。


見上げる構図なので、3つ目の縦方向の消失点は、アイレベルより上に設置するよ
三点透視図法の描き方がよくわからないという方は、
【簡単】三点透視図法の描き方 手順をわかりやすく解説【中学生OK】
にてわかりやすく解説しているので参考にしてください。
もし消失点まで定規が届かないという方は、消失点からパースラインを引っ張って描く方法があります。
具体的なやり方は、
パース 透視図法 消失点が紙や画面の外など遠いときの対処法を2つ紹介
にてわかりやすく紹介しているので参考にしてください。
また、透視図法を使ってこれから絵やイラストを描いていきたい方は、
以下のような少し長めの定規を使うことをオススメします。
この定規は実際に僕が使っている定規です。
15センチや30センチの定規だと消失点まで届かないことが多いですが、
長めの定規なら消失点までダイレクトに届いて快適です。
以下の記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。
工程② : 階数に分割する
次に、ビルを階数分に分割していきます。
今回は、8階建のビルにします。
ただ、三点透視図法の場合、縦方向(上下方向)にもパースがついてしまうため(遠近感がついてしまうため)、
一点透視図法や二点透視図法と違って定規で測って分割することはできません。
そのため、先程のフカンのビルと同様に、対角線を使う「分割」という方法で分割する必要があります。
今回は8階建なので、8分割をやります。
他の階数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
では8分割していきます。
① 左右どちらかの面に対角線を2本引く
まず、左右どちらかの面に対角線を2本引きます。
以下のような感じですね。

※ 箱にアイレベルが重なっている場合は、混乱防止のため、アイレベルは消しておきます。

今回は、右側の面に引いているけど、左側の面でもOK!

今はわかりやすいように濃く引いているけど、対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、対角線が交わるところに交点(オレンジの点)ができますよね。

② 対角線の交点を通る縦線と横線を引く
次に、先程引いた対角線の交点(オレンジの点)を通る縦線と横線を引きます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って、横線はアイレベル上の右側の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


縦線は左右の縦辺2本に平行だから、3つ目の縦方向の消失点へ。
横線は上下の2辺に平行だから、アイレベル上の右側の消失点へ向かうよ
これで2分割ができたことになります。
③ 2分割してできた、それぞれの四角形に対角線を1本ずつ引く
では次に、2分割してできた、それぞれの四角形に対角線(緑の線)を1本ずつ引きます。
以下のような感じですね。


今回は、右上から左下に引いているけど、左上から右下に引いてもOK!

対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、真ん中の縦線との交点(緑の点)が2つできますよね。

あとは、この交点(緑の点)を通る横線を引けば、4分割ができます。
このとき、横線はアイレベル上の右側の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


他の横線と平行だから、アイレベル上の右側の消失点を使って線を引くよ
④ 4分割してできた、それぞれの四角形に対角線を1本ずつ引く
では次に、4分割してできた、それぞれの四角形に対角線(赤の線)を1本ずつ引きます。
以下のような感じですね。


今回は右上から左下に引いているけど、左上から右下に引いてもOK!

対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、真ん中の縦線との交点(赤の点)が4つできますよね。

あとは、この交点(赤の点)を通る横線を引けば、8分割の完成です。
このとき、横線はアイレベル上の右側の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。


他の横線と平行だから、アイレベル上の右側の消失点を使って線を引くよ
さらに、8分割する線と、箱の右側の面の左の縦辺との交点から、
アイレベル上の左側の消失点に向かって線を引くと、箱の左側の面も8分割することができます。
以下のような感じですね。

どうでしょうか?
三点透視の場合、縦方向(この場合は上向き)にパースがつく(遠近感がつく)ので、
上の階と下の階とではずいぶんと高さの幅が違って見えますね。

1階分の高さはどの階も同じだけど、上向きにパースがついているから上に行くほど狭く見えるんだね!
工程③ : 窓などを描いて完成
では最後に、窓などを描いていきましょう。
下準備として、縦方向も分割しておきます。
今回は、窓の形などを考慮して、4つに分割してみます。
他の数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
① 縦方向に4分割する
まず、以下のように、2分割してできた、縦の四角形2つに対角線(青の線)を1本ずつ引きます。


今回は右上から左下に引いているけど、左上から右下でもOK!

対角線は絵の一部ではないから、なるべく薄く引こう!
そうすると、以下のように、一番大きい長方形を横に2分割する横線との交点(青の点)が2つできますよね。

あとは、この交点(青の点)を通る縦辺を引けば、縦に4分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。

また、対角線を引かなくても、縦に4分割することもできます。
以下のように、上から3本目の横線と、一番大きい長方形に引いた対角線との交点(茶色の点)、
同じく、下から3本目の横線と、一番大きい長方形に引いた対角線との交点(茶色の点)が2つありますよね。


今回は右上から左下に引いた対角線を使っているけど、左上から右下に引いた対角線でもOK!
この2つの交点(茶色の点)を通る縦線を引けば、縦方向に4分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。

どちらの方法を使っても結果は同じになります。
慣れないうちは対角線を引いてやっても良いですが、
以上のように、既に引いてある線を利用することで、少ない線で効率よくかつ手早く分割することができます。
便利なので、ぜひ覚えておきましょう。
では左側の面も分割してみましょう。
今回は窓の形などを考慮して、2つに分割してみます。
他の数に分割したい方は、
【簡単】パース 分割法をまとめました 【2・3・5・6・7・9分割】
にてその他の分割法をまとめているので参考にしてください。
② 左側の面を縦方向に2分割する
まず、以下のように、対角線を1本引きます。


今回は右上から左下に引いているけど、左上から右下でもOK!
そうすると、以下のように、長方形を横に2分割する横線との交点(紫の点)ができますよね。

あとは、この交点(紫の点)を通る縦線を引けば、縦方向に2分割することができます。
このとき、縦線は3つ目の縦方向の消失点を使って引きます。
以下のような感じですね。

③ 窓などを描いて完成
あとは、窓などを描いて完成です。

窓などを描くときも、きちんと適切な消失点を使って描きましょう。
例えば、箱の右側の面であれば、縦線は3つ目の縦方向の消失点、
横の線はアイレベル上の右側の消失点を使って描きます。
一方、箱の左側の面であれば、縦線は同じく3つ目の縦方向の消失点ですが、
横の線はアイレベル上の左側の消失点を使って描きます。
今回は8分割でしたが、さらに分割すると、以下のような高層ビルも描けます。

二点透視図法 ビルの描き方
二点透視図法のビルの描き方は、
簡単! 二点透視図法 ビルの描き方【手順をわかりやすく解説します】
にてわかりやすく解説しています。
まとめ : 簡単! 三点透視図法 フカンとアオリのビルの描き方をわかりやすく解説
今回は、三点透視図法のフカンとアオリのビルの描き方を紹介しました。
三点透視図法を使うと、臨場感や迫力のあるビルが描けるので、ぜひチャレンジしてみてください。
また、パース 透視図法の勉強におすすめの本4冊 イラストを上手く描こう!ではパース(透視図法)の勉強にオススメの本を紹介しています。
今回は以上です。




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