風景画やスケッチ、水彩画などを描いているときに、
道、道路を描いてみたいなと思ったことはありませんか?
風景画において、道はかなり重要な要素ですよね。
街並みや住宅街、田んぼ道も道だね!
とはいっても、
・風景画で道・道路って具体的にどう描くんだろう?
・風景画で道・道路を描きたいけど、なんかうまく描けないな…
・遠近法とか難しいから簡単に描ける方法とかないのかな?
という感じで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
実際僕も、水彩画を描いてみたいなと思い、勉強していたのですが、
どうやって道を描いたらいいのか、いまいちよく分かりませんでした。
しかし、その後勉強を進めていくうちに
道を描く際の重要なポイントが分かってきました。
きちんと遠近感のある道・道路を描くには、
遠近法(パース・透視図法など)の知識があると便利ですが、
パース(透視図法)の知識があまりなくても
遠近感、奥行き感のある道や道路を描くことができます。
そこで当時の僕のように、
・風景画や水彩画で道を描きたいけど、どう描くのかな?
・パース(透視図法)の専門的な知識がなくても道・道路をうまく描く方法が知りたいな
と思っている方に対して、
パース(透視図法)の知識がなくても
遠近感・奥行き感のある道・道路を描く方法を
丁寧に分かりやすく解説していきます。
目次
1 風景画 道・道路を描くときの「思い込み」を捨てよう
道・道路を描くときによくやってしまうのが、
道を必要以上に長く描いてしまうことです。
紙の下から上まで道をいっぱいに描いてしまい、
下のように、道が長くなってしまった経験はないでしょうか?
これは、
遠くまで伸びる道は長く描かないといけないと考えてしまうことが原因です。
道は長いから紙の中に入りきらない。だからついつい長く描いてしまう…
実際僕も水彩画で下描きの描き方を勉強していた頃は、
道は長いから長く描かないと、と思い込んでいました。
しかし、道は紙いっぱいに長く描かなくても、
遠近感・奥行き感をしっかりと表現することができます。
例えば次の写真を見てください。
先程の道よりもずいぶんと短いですね。
しかし、しっかりと遠近感・奥行き感が出て、
なんかリアルな感じがしますね。
なんか奥行きを感じるね!
先程の道と比べてみても、
道の長さがかなり短いのが分かるかと思います。
並べてみると一目瞭然だね!
約半分くらいかな
風景画や水彩画で道・道路を描くときのポイント: 道は「長さ」ではなく「幅」を意識しよう
先程挙げた2つの道のうち、
最初の道は、紙いっぱいに長く描いて不自然な感じでした。
一方で、あとの道は、短いにも関わらず、
遠近感・奥行き感があり、しっかりと道に見えていました。
あとの道は短いにも関わらず
なぜ、遠近感・奥行き感を感じられたのでしょうか?
普通だったら、道は長いから長く描いた方が遠近感・奥行き感が出そうな感じがするけど
それは、道の「幅」の変化がしっかりと描かれていたからです。
最初の長く描き過ぎた道は、
道の最後まで道幅がほとんど変わっていません。
しかし、短い方の道は、手前と奥でずいぶんと道幅が異なっています。
お〜、本当だ!
手前と奥では道幅が全然違うね!
しっかりと遠近感・奥行き感のある道・道路を描くためには、
この道の「幅」を意識することがポイントです。
遠近法(パース・透視図法)では、
近いものほど大きく、遠くに行くほど小さく見える
という見え方を利用することで、遠近感・奥行き感を出します。
このポイントを意識するだけで、紙の下から上まで長く道を描かなくても
しっかりと遠近感・奥行き感のある道・道路を描くことができるのです。
これは、すごく短いけど奥行き感を感じるね
なので、風景画や水彩画で道・道路を描く際は、
道の長さではなく、手前と奥の道の「幅」の違いを意識してみましょう。
道・道路の奥行き感は、
「長さ」ではなく、
手前と奥の「道幅」の違いで表現する
手前は広く、奥に行くほど狭くなるってことだね!
曲がり道・くねくね道も「幅」を意識して遠近感、奥行き感を出そう
曲がり道・くねくね道を描く際も、
紙の上から下まで必要以上に長く描くのではなく、
手前と奥の道幅に変化をつけることで、
遠近感・奥行き感を表現することができます。
手前と奥では道幅が全然違うね!
2 最低限のパース(透視図法)の知識: 道の先には消失点(VP)、そこにはアイレベル(EL)がある
これまで、手前と奥の道の「幅」を意識することで、
パース(透視図法)の知識がなくても、
遠近感・奥行き感のある道を描く方法を紹介してきました。
しかし、パース(透視図法)の知識があると便利ですし、理解が深まるので、
道を描く際に知っておくと便利なパース(透視図法)の知識を
簡単に紹介しておきます。
これまで紹介してきた全ての道の先には消失点(VP)というものがあります。
そして、その消失点(VP)があるところには、
アイレベル(EL)というものがあります。
と言われても、よく分からないと思うので、
もう少し噛み砕いて説明します。
道は本来上から見ると、
1本道であれば、以下のようにただの1枚の板のようなものです。
ドローンかなんかで上空から撮影している感じを想像してね
これを斜めから見ると、
奥に行くにつれて道幅が狭くなっていくのが分かるかと思います。
これは、普通に道路に立って道を見た感じだね。
奥に向かって、道幅が狭くなっていってるね!
その道の線をそのまま奥に伸ばしていくと、
やがて1つの点に収束するように見えます。
その点を消失点(VP)と言います。
でも、これは本当に点になるわけではないよ
そう見えるだけで、
無限に1本道が続いていると仮定すると、
永遠に道の両側の線はずっと平行で交わることはありません。
このように、パース(透視図法)では、この見え方、
つまり手前と奥の大きさや幅の違いを描くことで、
遠近感を表現しているのです。
そして、その消失点(VP)があるところにはアイレベル(EL)というものがあります。
アイレベル(EL)を簡単に言うと、「カメラの高さ」です。
カメラで撮影しているなら、そのカメラの高さ。
自分の目で見ているのなら、その目の高さがアイレベル(EL)です。
自分の目で見ている場合は、自分の目がカメラってことだね
なので、道を描く際は、
アイレベル(EL)、つまり
カメラ(あるいは目)が今どの高さにあるのかを意識してみましょう。
その高さに道の消失点(VP)があります。
曲がり道、くねくね道は、複雑に道がつながっているので、
それぞれの道に、それぞれの消失点(VP)があります。
それぞれの道に1個ずつ消失点があるよ
曲がり道、くねくね道は複雑ですが、
1本道をただつなげてるだけなので、
1本ずつ整理すると混乱せずに済みます。
全ての道の消失点(VP)は同じアイレベル(EL)上にあります。
アイレベル(EL)は撮影しているカメラの高さなので、1つの絵の中に基本的に1本しかないよ
ただ、坂道になると消失点の位置などが少し変わってきますが、
ここでは割愛します。
パース(透視図法)の坂道の消失点(VP)については、
こちらの記事で詳しく解説しています。
3 風景画や水彩画の下描きにおすすめの本
今回は遠近法(パース・透視図法)の知識を使わなくても、
遠近感、奥行き感のある道・道路の描き方を紹介しました。
パース(透視図法)は難しいので、
苦手という方もいらっしゃると思います。
そこで、パース(透視図法)の知識がなくても
風景画や水彩画の下描きが描ける、描き方を解説している本を紹介します。
それが
「こう描けば、そう見える! 水彩画『下書き』の裏ワザ」です。
この本は、パース(透視図法)の難しい知識がなくても
誰もが描ける記号や図形を使って、
風景画や水彩画の下描きの描き方を紹介しています。
建物とか様々なものを描きたいけど、
なんかうまく描けないな、難しいなと感じている方にすごくおすすめです。
誰でも描ける記号や図形を使った描き方という点が他の本にはない最大のポイント‼︎
4 パース(透視図法)を使って風景画を描いてみたい方におすすめの本
パース(透視図法)は難しそうだけど、
でも、パース(透視図法)を使って風景画を描いてみたいという方には
「風景デッサンの基本」がめちゃくちゃおすすめです。
この本は、僕が風景画を描いてみたいと思い一番最初に買った本なのですが、
とても分かりやすくてめちゃくちゃ勉強になります。
いまだに使ってます!
すごく分かりやすく丁寧に解説しているので、
パース(透視図法)はちょっと…という方にめちゃくちゃおすすめです。
まとめ: 【初心者向け】 風景画 道・道路の描き方のポイントをわかりやすく解説!
今回は、風景画で道・道路を描く際のポイントを紹介してきました。
道をいざ描こうとすると、意外と難しく、
紙に必要以上に長く描いてしまったり、
遠近感や奥行き感をうまく出せなかったりと
色々悩んでしまうかもしれません。
しかし、今回紹介した道の幅を意識するだけでも、
ずいぶんとその悩みが軽減されるのではないかと思います。
風景画や水彩画を描く上で道や道路は無くてはならない要素だと思うので、
ぜひ活用してみてください。
おわり
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