パース(透視図法)には、二点透視図法というものがあります。
二点透視図法を使うと、ザ・パースって感じの
立体感のある絵やイラストを描くことができます。
とはいっても、
・二点透視図法って具体的にどう描くのかな?
・二点透視図法の描き方がいまいちよくわからない…
という感じで悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
実際僕も、初めてパース(透視図法)を知ったのが中学校の美術の授業だったのですが、
二点透視図法を使って箱を描きましょう
と言われてもどう描いたらいいのかよく分かりませんでした。
そこで当時の僕のように、
・二点透視図法って具体的にどう描くの?
・具体的な描き方の手順や、描く上でのポイントが知りたいな
と思っている方に対して、
最近パース(透視図法)を勉強し始めたばかりの初心者の方でもわかるように、
丁寧にわかりやすく解説していきます。
二点透視図法が描けると、家をはじめ色々な物が描けるようになるよ!
目次
1 二点透視図法を描く上で知っておくべき知識
二点透視図法を描く上で、最低限知っておくべき知識をまとめておきます。
以下について、よく分からないという方は、
各記事で解説していますので、ぜひ見てみてください。
☆ 二点透視図法を描く上で、最低限知っておくべき知識
① 消失点(VP)について
② アイレベル(EL)について
③ 二点透視図法について
今回は、ここでの詳しい説明は省略します。
また、知っておくと便利な知識もまとめてみました。
○ 知っておくと便利な知識
・パースとは?
・透視図法とは?
・一点透視図法と二点透視図法、三点透視図法の違いとは?
こちらも興味のある方はぜひ見てみてください。
2 二点透視図法を描く上でのポイント: 平行な線や辺どうしを意識しよう!
まず最初に、二点透視図法を描く上でのポイントを紹介します。
それは、
平行な線や辺どうしを意識する
です。
二点透視図法は、線がたくさん入り組んでいて、
パース(透視図法)に慣れないうちは、分かりにくいと思いますが、
この平行な線や辺どうしを意識することで、
混乱せずに二点透視図法を描くことができます。
では、この平行な線や辺どうしを意識するというのが、
どういうものなのか、もっと具体的に見ていきます。
パース(透視図法)では、互いに平行なものは1つの点、つまり消失点(VP)に収束する
そもそもパース(透視図法)では、
互いに平行なものは、1つの点つまり、消失点(VP)に収束する
という見え方を利用して、遠近感を表現します。
どういうことかと言うと、
例えば、このように平行な1本道があったとします。
上からドローンかなんかで、撮影しているとイメージしてね!
この状態では、真上から見ているので、パースはついていませんが、
この1本道を、今度は実際にこの道に立って見たとします。
そうすると、
このように、奥に向かって道幅がだんだんと狭くなっていくのが分かるかと思います。
上から見たら、ただの平行な1本道なのに、正面から見ると奥に行くにつれて道幅が狭くなって行っているね!
これがパースがついた状態です。
このように、平行なものは奥に向かって1つの点、
つまり、消失点(VP)に収束していくのですが、
この1本道の場合は、消失点(VP)は1つなので、これは一点透視になります。
確かに、消失点(VP)は1個だから一点透視だね!
二点透視図法は、この消失点(VP)が2つあるということになります。
二点透視図法とは? 簡単に
では、二点透視図法がどういう状態なのかというと、
以下のような状態です。
二点透視は、自分に対して、箱やタイルなどが斜めになっている状態です。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
では、この状態で互いに平行な部分を探してみましょう。
お互いに平行な部分はどこかな…
その互いに平行な辺どうしが、同じ消失点(VP)に向かうことになります。
この状態で平行な部分はというと
以下ように、
赤で塗った辺どうしと、青で塗った辺どうしが互いに平行ですね。
確かに赤どうしと、青どうしが平行だ!
なので、
この赤で塗った辺どうし、青で塗った辺どうしが、
それぞれ左右の消失点(VP)に収束していくということになります。
平面であれば、互いに平行な辺は2本ずつですが、
立方体などの箱の場合、平行な辺は互いに4本ずつになります。
赤のラインは左側の消失点、青のラインは右側の消失点に向かうんだね
この互いに平行な線や辺を意識することで、
線が複雑に入り組んで難しく見えてしまう二点透視図法を、
混乱せずに描くことができると思います。
☆ 二点透視図法を描く上でのポイント
・二点透視図法は、2つの消失点(VP)を使って描く
・それぞれの消失点(VP)に向かう辺は、互いに平行な辺どうし
→なので、互いに平行な辺どうしを意識して、それぞれの消失点に向かわせればOK
では、このポイントを意識して、
実際に二点透視図法の描き方を見ていきましょう。
3 パース 二点透視図法の描き方 〜具体的な手順〜
では、実際に二点透視図法の描き方を見ていきましょう。
今回は、二点透視図法で箱を描いてみたいと思います。
箱が描けると、色々なものに応用できるので、まずは箱を描くのがおすすめ!
① アイレベル(EL)を設定する
まずは、アイレベル(EL)を設定します。
アイレベル(EL)は、カメラの高さだよ
② アイレベル(EL)上に消失点(VP)を2つ設置する
次に、アイレベル(EL)上に消失点(VP)を2つ設置します。
このとき、左右の消失点(VP)はあまり近づけ過ぎないようにするのがポイントです。
消失点(VP)をあまり近づけ過ぎると、歪みやいびつさが出てきてしまうよ
③ 箱の手前の縦線を引く
アイレベル(EL)と消失点(VP)を設定したら、箱の手前の角の縦線を引きます。
この縦線は、アイレベル(EL)に対して垂直に引くよ
この縦線は上から見ると、ピンクのマーカーで塗った部分ですね。
④ 箱の縦線の端点から、左右それぞれの消失点(VP)に向かって線を引く
次に、箱の手前の縦線の端点から、左右それぞれの消失点(VP)に向かって線を引きます。
⑤ 箱の奥行きの縦線を引く
そしたら、箱の奥行きの縦線を左右それぞれ1本ずつ引きます。
⑥ 奥行きの縦線の端点から、左右それぞれの消失点(VP)に線を引く
箱の奥行きの縦線を引いたら、その縦線の端点から、
左右それぞれの消失点(VP)に向かって線を引いていきます。
ここは、少し混乱するところなので、順番にやっていきます。
まず、左側の縦線の端点から右側の消失点(VP)に向かって線を引きます。
このとき、手前の青のラインと平行なので、同じ右側の消失点(VP)に向かって線を引きます。
平行な線は同じ消失点に向かうんだったね!
そしたら今度は、右側の奥行きの縦線の端点から左側の消失点(VP)に向かって線を引きます。
このとき、手前の赤のラインと平行なので、同じ左側の消失点(VP)に向かって線を引きます。
あとは、左右の縦線の端点から、
消失点(VP)に向かって引いた線同士がぶつかるところで縦線を引けば、
二点透視の箱の完成です。
ここでは、手前の縦線と奥の縦線がが一部被っていますね。
この縦線はアイレベル(EL)に対して垂直に引くよ
4 二点透視図法を使って、家の三角屋根や扉、階段、トンネルなどを描いてみよう!
さて、今回は二点透視図法での箱の描き方を紹介しましたが、
この箱が描けると、
家の三角屋根や扉、階段、トンネルなど、
様々なものを描くことができます。
興味のある方は、ぜひ見てみてください。
① 二点透視図法での三角屋根の描き方
・二点透視図法での凹みの描き方
・二点透視図法でのドア・扉の描き方
・二点透視図法での階段の描き方
・二点透視図法でのトンネルの描き方
5 パース(透視図法)や二点透視図法の勉強におすすめの本
最後に、実際に僕が使っていて、
パース(透視図法)や二点透視図法の勉強におすすめの本を2冊紹介します。
まず1冊目は、「パース塾」です。
この「パース塾」は、パース(透視図法)の入門書的な本で、
これからパース(透視図法)を学びたいという方におすすめです。
とても丁寧にわかりやすく、かつイラストもたくさん使用してるので、
パースがどうしても苦手、という方でも苦手意識を持つことなく、読み進めることができます。
パース(透視図法)を基礎から幅広く学びたい方にオススメ!
2冊目は「風景デッサンの基本」です。
「風景デッサン」となっていますが、
大部分がパース(透視図法)の解説になっています。
この「風景デッサンの基本」も、とてもわかりやすいので、
これからパースを学びたいという方におすすめです。
先程の「パース塾」と異なる点として、
この「風景デッサンの基本」の最大のポイントは、
パース(透視図法)を基本原理から学ぶことができる点です。
パース(透視図法)って、そもそもどういう仕組みなの?
という原理から解説しているので、
あぁ、パース(透視図法)ってこういうものなんだという感じで、
理解を深めることができます。
パースを原理・理屈からわかりやすく学びたい方に特にオススメ!
まとめ: 簡単! 二点透視図法の描き方 具体的な手順・ポイントをわかりやすく解説
今回は、二点透視図法の描き方のポイントと
実際に、二点透視図法での箱の描き方を紹介しました。
二点透視図法は、線がたくさん入り組んでいて、
慣れないうちは、どういう感じで描いていけばいいのか分かりにくいですが、
平行な辺や線同士は同じ消失点(VP)に収束する
という、ポイントを意識するとわかりやすいかなと思います。
二点透視図法が描けると、色々なものに応用することができるので、
ぜひチャレンジしてみてください。
おわり
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