パースで絵やイラストを描くときに、よく使うテクニックに、
分割と増殖があります。
ところで、
パースを勉強し始めた頃、分割や増殖ってなんか新鮮に感じませんか?
対角線を引くだけで、2つに分割できたり、
パースがついた状態で、奥に増やせたり、
みたいな感じで、ちょっと楽しいですよね。
しかし、
・最近パースを勉強し始めて、分割と増殖を知ったけど、正直、違いがよく分からな…
・似てるような感じで、使い方がイマイチよく分からない
という感じで、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
正直、僕も分割・増殖を勉強し始めたばかりの頃、
対角線を引くのとか、なんか手順が似てて、何が違うのかよく分からないな…
実際、絵を描くときに分割と増殖をどう使い分けたらいいんだろう?
って思っていました。
しかし、その後、勉強を進めていくうちに
なんとなく、こう使い分けたらいいのかな、
みたいなものが分かってきました。
そこで、当時の僕のように
・パースの分割と増殖の使い分けがよく分からないな…
・実際に、絵やイラストを描くときに、どう使い分けたらいいの? コツは?
という感じで悩んでいる方に対して、
分割と増殖をどう使い分けたらいいのかを
最近パース(透視図法)を学び始めたばかりの初心者の方でも分かるように、
丁寧にわかりやすく解説していきます。
目次
1 ブロック塀を描くには、分割と増殖どっちが最適?
さて、いきなりですが、ここに壁があります。
一点透視の壁です。
この壁を今からブロック塀にして下さいと言われたら、
分割と増殖どちらを使って、ブロック塀を描くと良いでしょうか?
条件として、縦と横に積み上げるブロックの数に決まりはありません。
僕は、パースを勉強し始めた頃、こういう場合に、
分割と増殖のどちらを使えばいいのか、よく分かりませんでした。
でも、今の僕なら迷わず分割を使います。
あれ、増やすから増殖じゃないんだね
その理由は、
①ブロック1個あたりの大きさが決まっていない
②分割を使った方が綺麗に描ける
からです。
特に① ブロック1個あたりの大きさが決まっていないが重要で、
この壁にブロック積み上げるとなったとき、
まず、縦と横にどれくらいブロックを積み上げようかな、と考えますよね。
特にどれくらい積み上げてもいいのなら、まず縦にどれくらい?
っていう感じで、
まず1個分のブロックの大きさを大まかに決めると思います。
これを縦に7個〜8個くらい積み上げる感じでしょうか。
仮に、縦に8個積み上げるのであれば、奥にも8個くらい積み上げる感じでしょうか。
こんな感じであれば、分割ならスムーズに行きそうですね。
では、増殖を使うとなったらどうでしょうか?
縦に8個積み上げるので、1個分のブロックの大きさは大体これくらいだなと。
まず、縦の長さを定規で測って仮に7.2センチであれば、
8個積み上げるとなると、1個あたり0.9センチですね。
キレイに割り切れれば良いですが、割り切れない場合はちょっと難しいですよね。
続いて奥行きですが、奥行きはパースがついているので、定規では測れません。
大体の個数を決めたいところですが、難しそうですね。
増殖では、奥行きのブロックは描きづらいね
どうでしょうか?
奥行きの範囲が決まっているので、増殖しても、
その範囲にきっちり収まるかどうかは分かりませんね。
さらに、増殖には1つデメリットがあります。
それは、増殖すればするほどズレが出やすいということです。
かなり小さいブロックに対角線を引いて増殖していかないといけないので、
遠くのブロックに行けば行くほど、ズレが大きくなってきます。
めちゃくちゃズレそう…
なので、
この場合は、増殖を使うよりも
分割で縦に8分割、横にも8分割くらいってな感じで、やっていった方が、良さそうですね。
8分割のやり方は、2分割を応用してやることができます。
こちらの記事を参考にしてください。
2 増殖と分割の違いは? どう使い分けたらいいの?
以上のことを踏まえて、僕なりに分割と増殖の違いを考えてみました。
・増殖
→形が既に決まってしまっていて、形を変えられないものを増やすときに使う
・分割
→最初にこの範囲にこれくらい敷き詰めたい、と範囲が決まっているときに使う
と考えると良いかもしれません。
ただ、これだけではよくわからないと思いますので、
具体例を挙げて見ていきましょう。
タイルを敷き詰めるときに使うのは分割、増殖?
ここにタイルが1枚あります。
このタイルを元に、ここにタイルを敷き詰めるとなると、
形が既に決まってしまっているので、増殖を使うしかありません。
もう、「タイルのサイズがこれです」って決まっているから、増殖でやるしかないね
しかし、このように、
この範囲に適当にタイルを敷き詰めるとなると、
タイル1枚分の大きさは決まっていないので、
分割で適当にタイルを敷き詰めることができます。
例えば、まず最初に、
大まかに、どれくらいの数のタイルを敷き詰めるかを決めて、
横に8枚、奥にも8枚みたいな感じで分割していく感じです。
電柱が連なる風景を描くときに使うのは増殖、分割?
もう1つ例を出してみます。
例えば、以下のように、
一点透視の状態で、電柱が2本立っているとします。
このとき、電柱と電柱の間の距離が決まってしまっている(赤の範囲)ので、
この場合は、増殖を使います。
ただ、電柱が連なっている風景をここからここまでという感じで、
範囲を決めて描きたいのであれば、分割で描くことができます。
3 パース(透視図法) 増殖と分割の方法まとめ
パース(透視図法)における、増殖と分割の方法を下記にまとめておきました。
ぜひ参考にしてみてください。
・増殖の方法
・2分割・2等分
・3分割・3等分
・5分割・5等分
・6分割・6等分
・7分割・7等分
・9分割・9等分
4 パース(透視図法)の勉強におすすめの本
最後に、実際に僕が使っていて、パース(透視図法)の勉強におすすめの本を紹介します。
それが、「パース塾」です。
この「パース塾」は、パースの入門書・教科書的な本で、
パースの基礎を身につけるのにぴったりです。
とてもわかりやすいので、
これからパースについて勉強していきたい、という方に特にオススメです。
また、こちらの記事でもその他のパースのおすすめの本を紹介しています。
まとめ: パース 透視図法 分割と増殖の使い分け 分割と増殖って何が違うの?
分割は割るときに、増殖は増やすときに使うものですが、
いざ使うとなると、
意外と、どっちを使えばいいのか分からない、というときもあるかと思います。
例えば、ブロック塀を作るとなると、
どうしても1つひとつのブロックを増やして積み上げると考えるので、
増やすということから増殖!って感じになってしまいますが、
本当に増殖なのか、分割でやった方がいいのでは? と一度、考えてみてください。
おわり
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