二点透視図法で三角屋根・切妻屋根の家を描くときに、
「屋根の消失点(VP)」を使うと、
パースがついた状態で屋根にラインなどを引くことができます。
とはいっても、
・そもそも屋根の消失点(VP)って何なのかよく分からない…
・二点透視の屋根の消失点ってどこ、どっちにあるの?
・何か簡単に見つける方法やコツはないのかな?
といった感じで、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
実際、僕も二点透視図法を使った家の描き方を勉強しているときに、
初めて屋根の消失点というものがあるのを知りました。
ただ、その屋根の消失点がどっちにあるのかがよく分かりませんでした。
しかし、
ある見つけるコツを知ったことで、屋根の消失点が簡単に見つけられるようになりました。
そこで当時の僕のように、
・そもそも屋根の消失点って何なの?
・二点透視図法で描くときの屋根の消失点がどっちにあるのか分からない…
・何か簡単に見つけられるコツとかあるの?
といった感じで悩んでいる方に対して、
そもそも屋根の消失点とは何なのか、
そして、その屋根の消失点がどこ・どっちにあるのか、
最近パース(透視図法)を勉強し始めたばかりの初心者の方でも分かるように、
丁寧に分かりやすく解説していきます。
目次
1 二点透視図法で三角・切妻屋根を描くときの「屋根の消失点(VP)」とは?
「屋根の消失点」とは、「傾斜の消失点」の一種です。
普通の箱に消失点(VP)があるように、
実は傾斜にも消失点があり、屋根の消失点はその中の1つという感じです。
屋根も傾斜だよね!
では傾斜にも消失点があるということですが、
そもそも傾斜の消失点とは何か? どういうものか、
もう少し具体的に見ていきましょう。
傾斜の消失点(VP)とは?
例えば、
こんな感じで、二点透視の箱があったとします。
この箱を斜めにスライスすると、坂道のような傾斜面ができました。
では、この傾斜面の消失点はどこにあるか探してみましょう。
傾斜面の線は上と下のどちらに収束していっているか、線を伸ばしていきます。
そうすると、こんな感じで上の方に線が収束していっているのが分かるかと思います。
そして、その線をずーっと伸ばしといくとやがて1つの点に収束します。
その点が傾斜の消失点です。
では、この傾斜の消失点はどこにあるかというと、
この場合、アイレベル(EL)上の右側の消失点の垂直線上にあります。
このように、傾斜(面)にもしっかりと消失点があるんですね。
これが傾斜の消失点なんだね!
傾斜の消失点についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
では、これらを踏まえて、
この傾斜の一種である屋根の消失点とは何かについて見ていきましょう。
二点透視図法の「屋根の消失点(VP)」とは?
先程、二点透視の箱を斜めにスライスしたことによって傾斜面ができました。
また、その傾斜面には、
傾斜の消失点というものがあるということが分かりました。
そして、三角屋根・切妻屋根も傾斜なので
先程と同様に、屋根にも消失点があるというのがなんとなく分かるかと思います。
二点透視の三角屋根・切妻屋根の家を用意してみました。
では、この二点透視の屋根の消失点は一体どこにあるかというと、
この場合、こんな感じで
アイレベル(EL)上の左側の消失点の垂直線上にあります。
では、屋根の向きを変えてみたらどうなるでしょうか?
そうすると、
この場合、屋根の消失点は右側の消失点の垂直線上にあります。
このことから、二点透視の場合、
屋根の消失点は、アイレベル(EL)上の左右の消失点の垂直線上にある
ということが分かります。
ただ、これってアイレベル(EL)上の消失点のどっちにあるのか、
規則性みたいなものがよく分かりませんよね。
左にあったり、右にあったり。なんか見分け方とかあるのかな?
では、次はこの二点透視図法の屋根の消失点が、
アイレベル(EL)の左右の消失点のどっちにあるのか、
その見つけ方のポイントを紹介します。
2 二点透視図法での「屋根の消失点(VP)」はどっちにある? 見つけ方のポイント
二点透視図法で屋根の消失点がどっちにあるか迷ったときは、
次のポイントを意識してみてください。
それは、
屋根の消失点は、自分から遠い方にある
です。
実は、二点透視図法での屋根の消失点は、自分から遠い方にあるんです。
と言われても、何のことだかよく分からないので、
具体的にどういうことなのか見ていきましょう。
自分から遠い方に屋根の消失点があるってどういうこと?
例えば、先程最初に挙げたこちらの屋根を使って見ていきます。
ここでもう一度、屋根の消失点を見つけるポイントを確認しておきます。
二点透視で屋根の消失点を見つけるポイントは、
屋根の消失点は、自分から遠い方にある
でしたね。
これはどういうことかと言うと、
例えば、手前の屋根であれば、
屋根のてっぺんAと屋根の端Bでは、どちらが自分から遠いかを考えます。
遠い方に屋根の消失点があるということですが、
屋根のてっぺんAと屋根の端Bではどちらが自分から遠いでしょうか?
うーん、どっちが遠いかな?
屋根のてっぺんであるAの方が遠いですよね。
これは、横から見た図を使うと、より分かりやすいかもしれません。
屋根のてっぺんAと、屋根の端Bでは、
屋根のてっぺんAの方が自分から遠いですよね。
うでは、Aの先に本当に屋根の消失点があるのでしょか?
どうかな?
先程、線を引いて出した屋根の消失点を見てみましょう。
ちゃんとA方向、つまりアイレベル(EL)上の左側の消失点の垂直線上にありますよね。
お、ちゃんとA方向に屋根の消失点があるね!
では、今度は奥側の屋根を見てください。
屋根のてっぺんAと屋根の端Cでは、屋根の端Cの方が自分から遠いですよね。
そのCの先に屋根の消失点があるはずです。
どうでしょうか?
こちらもちゃんとC方向に屋根の消失点がありますね。
では、屋根の向きを変えたこちらの屋根でも確認しておきましょう。
まず手前の屋根ですが、
屋根のてっぺんAと屋根の端Bでは、屋根のてっぺんAの方が自分から遠いですよね。
なので、A方向に屋根の消失点があるはずです。
どうでしょうか?
ちゃんとA方向に屋根の消失点がありますね。
では奥側の屋根はどうでしょうか?
屋根のてっぺんAと屋根の端Cでは、屋根の端Cの方が自分から遠いですよね。
なので、C方向に屋根の消失点があるはずです。
こちらもちゃんと自分から遠いC方向に屋根の消失点がありますね。
このように、二点透視で三角屋根・切妻屋根の家を描いているときに、
屋根の消失点がどっちにあるか迷ったときは、
屋根の消失点は、自分から遠い方にある
ということを思い出してみてください。
3 パース(透視図法)と傾斜・屋根の消失点の勉強におすすめの本
最後に、実際に僕が使っていて、
パース(透視図法)や傾斜、屋根の消失点の勉強におすすめの本を2冊紹介します。
まず1冊目は「パース塾」です。
この本は、パース(透視図法)の基礎から学びたい方におすすめです。
傾斜や屋根の消失点についても解説しています。
基礎からしっかり学べるので、初心者の方におすすめ!
2冊目は「絵を描く仕事で成功するテクニック」です。
この本は、パース(透視図法)の
「専門書」的な感じで、かなり内容の濃い本になっています。
本のタイトルが「絵を描く仕事で成功するテクニック」となっているので、
パース(透視図法)以外の陰影や人物画などといった知識も解説していますが、
大部分がパース(透視図法)の解説になっています。
屋根や階段、坂道の消失点についても詳しく解説しています。
内容は少し難しいけど、かなり使える、実用的な本だよ!
まとめ: 二点透視で三角・切妻屋根を描くときの屋根の消失点とは? 見つけ方も解説!
屋根の消失点は、パースがついた状態で屋根にラインを描くことができたりと、大変便利なものです。
しかし、そもそも屋根の消失点って何なんだろう?
とか、
実際に三角屋根や切妻屋根の家を描いていく中で、
あれ、屋根の消失点ってどっちにあるんだろう?
という感じで悩んでしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、
そもそも屋根って傾斜だから、普通の箱と同じように消失点があるのか…
と基礎に立ち返ったり、
どっちにあるのか迷ったときは、
自分から遠い方に屋根の消失点がある
というのを意識してみると良いかもしれません。
屋根の消失点を使うと本当に綺麗に屋根が描けるので、
ぜひ活用してみてください。
おわり
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